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    「志通信」メールマガジン                  1999年3月 VOL.11

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■「志」のレベル

昨年「志通信」を創刊した時には、「志」というとイメージが堅いとか、取っ付きにくい印象を受けるといった感想を頂くことが多かったのですが、時代の変化のせいか、この一年余りで「志」という言葉が抵抗なく使われるようになってきたように感じております。
「志」という言葉の解釈は人それぞれですが、私は師の言葉をお借りして「志とは、世の中のお役に立とうとする意欲であり、次の時代の要請に応え得る前衛的先見性に支えられ、やむにやまれぬ行動意欲を引き出す魂の源流」と定義付けております。
ただこのような説明をしますと、「んー、分かりにくいですね」とか「少し難しいですね」と言われることがありますし、ましてやこのレベルに到達するのは容易なことではありません。
(最近は、私のような凡人が大変なことを口にしてしまったと思うことしかりです...苦笑)
そこでセミナー等では、ここに至る前段階として「志」にはレベル(範囲)があるという話をさせていただいております。
具体的に申しますと、志が高いとか低いというものは自らが目標とするものの範囲や日常意識しているものの範囲によって客観的に判断できるというもので、それには
「@自分 → A家族・友人 → B会社 →Cお客様 → D社会・日本 → E世界・地球 → F宇宙」という大きく分けて7つの段階が存在していると考えています。
つまり自らの目標や意識の範囲が、志や器量の大きさを如実に示しているということなのです。
また「範囲」だけでなく、時間的な側面を加味して判断することが必要です。
これは目標や意識について、「今」や「自分達が生きている間」といった短期ではなく、次の世代やもっと先のことまで長期的に捉えているかどうかということです。
先日退任を表明された住宅金融債権管理機構の中坊公平社長の言葉に「歴史に耐えうる行動か」というものがありますが、これは私たちの判断や行動が将来私たちの子孫に「正しいものであった」とか「素晴らしいものであった」と評価されるものであるかどうかを判断基準にせよという戒めであると解釈しています。
少し分かりやすい事例として「環境問題」を取り上げて考えますと、この問題は自動車のガソリンや排気ガス、電気・ガスの使用、ゴミやリサイクル等、私たちの日常生活と密接な関係がありますが、「自分が楽しければいい」とか「今さえ便利であればいい」と考えていれば、関心を持つことは少ないと思います。
しかし、これでは他に迷惑を掛けたり後世にツケを残してしまうことになってしまいます。 日本という社会や世界、地球の事(志の範囲)、また自分達が生きている時代だけでなく後世の事まで考えたならば、何とかしなければならないという想いが生まれるでしょうし(この想いが志の種です)、その想いを行動変化に結び付けなければ意味はありません。
また「行動」は完璧であるに越したことはありませんが、完璧を求めるあまりに尻込みしてしまうよりも、まずは自分にできることから取り組みそれを積み重ねていくことが大切ではないでしょうか。


■「志経営」

私事で恐縮ですが、私共のコンサルティングでは「志のレベル」と「長期的に捉えること」を基にした「志経営」を推進しており、会社全体として、またそこに所属するそれぞれが志の範囲を広げ長期的視野に立って考え行動する事によって、真に素晴らしい事業成果を挙げていくお手伝いをさせていただきたいと考えております。
現在このような考え方に基づき、まずは所属する個人それぞれが目標を持つことと自社という組織の目標を「お客様(顧客)」に集中し、いわゆる顧客満足に徹底的に取り組むことから始めています。
そして単なる顧客満足ではなく、お客様が感動されるレベルまで向上させることによって素晴らしい事業成果を得ること、またそれによって生じる感動の輪を社会に広げていくことを「志と感動の経営」と名付けています。
詳しい内容に付きましては、又の機会にご紹介させて頂きたいと存じます。


■考事縁

考事縁とは、「物事(の本質)を考えるご縁(きっかけ)作り」の意

●第11号で取り上げる言葉は、「初心」です。
1.しょ-しん【初心】
 @初めに思い立った心。初一念。 「―にかえる」
 A初心忘るべからず 学び始めた当時の気持を忘れてはならない。
   常に志した時の意気込みと謙虚さをもって事に当らねばならないの意
(広辞苑より抜粋)

●例年この時期になりますと新入社員研修が始まりますが、皆さん学生から社会人へという人生の岐路を迎えて大きな希望に満ち溢れた「いい顔」で臨んで頂いています。「頑張るぞー」という純粋なやる気は、人間としてまた社会人しての原点であり「初心」であると思います。このようなやる気満々の皆さんと接することによって、忘れかけていたフレッシュな気持ちを取り戻すことができ、このような機会を頂いていることに改めて感謝しております。普段は慌ただしい日常に流されてしまいがちですが、時々は「初心」を思い出して気持ち新たに頑張りたいと思います。

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