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    「志通信」メールマガジン                  1999年4月 VOL.12

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■顧客満足

「未曾有の大不況の中で今後どうすればいいのでしょうか?」、「どうすれば利益が出るのでしょうか?」
最近このような質問を受けることが増えてまいりました。
私は「徹底してお客様にご満足いただけることを追求するしかありません」とお答えしています。
中には「そんなことで...」と言われる方もいらっしゃるのですが、今の時代そしてこれからの時代は小手先の「儲けるテクニック」が通用する程甘い時代ではありませんし、また例え儲かったとしてもそれを継続させることはできません。
乱世の時代にはあくまでも原点に帰ることが基本です。
では「原点」とは何でしょうか。
それはお客様に満足いただける商品やサービスを提供することであり、その対価として利益が生まれるのです。
実際に弊社のクライアントや知り合いの企業を見回しても、長期的に発展している企業は程度の差こそあるものの総じて顧客満足度が高く、またこれから成長が期待される企業では、共通して「顧客満足」が理念の柱となっているようです。
ひとつ例をご紹介しますと、先日千葉県のとあるゴルフ場の総支配人さんとお会いする機会がありました。
このゴルフ場は、千葉のゴルフ銀座の中でも大変不便な場所に位置しているのですが、この不況下にあっても予約はほとんど満杯という状況が続いています。
ゴルフ場にとって、立地とは重要な要因の一つですが、この立地条件の悪く価格も決して安くはないゴルフ場にどうして多くのお客様がいらっしゃるのでしょうか?
その理由は明確です。
このゴルフ場では不利な立地条件をものともしないほど、顧客満足を徹底して追求されているのです。
例えば、ここのレストランには「お好み帳」というものがあります。
これはよくいらっしゃるお客様の顔やお名前、以前によく注文されたものや好みのもの、嫌われること、同伴者等の細かな情報が記載されており、毎日翌日来場されるお客様の「お好み帳」を確認することによってお客様を名前で呼び、好みに応じたメニューを薦められています。
またキャディ部門には「顧客リスト」があり、「お好み帳」と同様お客様と接する中で多くの情報を収集し、来場される前に確認されていますし、当日もさりげない会話の中でゴルフの目的を確認し、その目的に応じたサービスの提供を心掛けていらっしゃいます。
他にも例を挙げますと、キャディさんには「OBになったボールを探す」という仕事がありますが、お客様のほとんどは「キャディさん、取りに行かなくていいよ...」と言われるそうです。
しかしこのゴルフ場では、このほとんどが建前であって、ゴルフボールは高価なものですからお客様は本音では取ってきて欲しいと思われていると捉えています。
ですからご要望にお応えする為に余程のことが無い限り探し出すようにしているとのことで、ここのキャディさんの歩数は他のゴルフ場の約1.5倍にもなるそうです。
またどうしても見つからない場合は、ロストボールを見つけて差し上げるようにしているそうですが、お渡しする時に「ロストボールどうぞ」と直接的に言うと、お客様のプライドもあり受け取りにくいであろうと考え、「カートに置いておきますので宜しければお使い下さい」と声を掛けられるそうです。
実際「俺は気に入ったボールしか使わないんだよなー」と言いながら、99.9%の方が持って帰られるとのことでした(笑)。
このように挙げればきりがないほど細かなことに気を配り、サービスを磨き上げていらっしゃるのですが、「ゴルフ場はサービス業なのだからそんなことは当たり前だろう」と言われるかもしれません。
しかしそうではありません。
結局は、「どこまでお客様のことを考えているか」、「また自社の商品やサービスがお客様にどれだけ満足していただけるものであるか」がポイントであり、業種は関係ないのです。 またこのゴルフ場のビデオを拝見してびっくりしたのですが、従業員さんが本当に生き生きとした表情をされています。
私が想像するに、お客様からの「ありがとう」という言葉や喜んで帰って頂く姿がこの活力を生んでいるのだと思います。
皆さんの会社はお客様からどれだけ喜ばれると共に、「ありがとう」という感謝の言葉を頂いていらっしゃいますでしょうか。
また従業員さんは「いい表情」で仕事をされていますでしょうか。


■トップ次第

この総支配人さんにこれまでの成功の秘訣についてお聞きしたところ、「普段人前ではこんなこと言わないのですが、正直言ってトップ次第ですね。トップが本気でやればうまくいきますし、本気でなければ失敗します。これが本音です。」と言い切られました。
また方法論としては「走りながら改善」というスタイルで、提供するサービスの精度にこだわるよりも拙速な取り組みを重視して推進されたそうです。
結論的にはトップ次第ということ、またあれこれ言っても始まらないので、まずは実践し、走りながら問題解決していくことが成功への第一歩のようです。


■編集後記

このような話を聞くと、このゴルフ場に行ってみたくなるのが人情ではないでしょうか。 「かなりお忙しいようですが、ビジターでもプレイさせていただくくこと可能でしょうか?」とお聞きしたところ、さすがです「普通はお断りしておりますが、平日であればなんとかいたしますので私宛に直接ご連絡下さい」との返事をいただきました。
「一度行ってみたい」と思われる方は、ベストスコアが「115」の私が、「迷惑」と一緒にお供しますのでご連絡下さい(笑)。

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