☆ 思いやり ☆ 優しさ ☆ 感謝 ☆ ==============

「志通信」メールマガジン 2011.6 VOL.122

========================= Good Communication♪



■今を生き〜る


昔むかし、

東洋の美しい国に

3人の若者がいました。


名前は、それぞれ

カコ・クヤーム君。

ミライ・ウレーウ君。

イマ・イキール君。



一人目のカコ・クヤーム君は

クヨクヨした性格で、

仕事で壁にぶつかる度に

「この仕事を選んだのは、

 間違いだったかなぁ」

とか

「もしかすると、

 他に自分に向いている

 仕事があるのかも...」

と悩んでいましたし、


何かある度に

昔の失敗を思い出しては、

「何であんなことを

 しちゃったんだろう」

と悔やんでばかりいました。


彼女のアカ・ルイコちゃんと

デートをしていても、

そんな話ばかりしていたので、

ルイコちゃんから

「過去を引きずるんじゃなくて、

 明るく生きていかなきゃね!」

と諭されていました。



二人目のミライ・ウレーウ君は

心配性で、

毎晩寝床に入ると

「明日は、大丈夫かなあ

 失敗したり

 怒られたりしないかなあ」

と考え込んでしまう性格でした。


その東洋の国は

元々財政状態が

良くなかったのですが、

ある時、大きな地震と津波が押し寄せて、

甚大な被害が発生しました。


彼は、

「この国は一体、

 どうなってしまうんだろう?」

「ボク達の将来は、

 どうなるんだろう?」

と考え始めると、

グルグル堂々巡りになって、

寝れなくなってしまうことも

少なくありませんでした。


ミライ・ウレーウ君は

そんな性格が災いして、

なかなか一歩が踏み出せない

タイプだったので、

彼女のマエ・ムキコちゃんから

「前向きに生きなきゃ!

 行動しないと

 何も変わらないでしょ!」

とよく怒られていました。



イマ・イキール君は

いつも楽しそうに

暮らしていました。


小さい頃、おばあちゃんに

寝かし付けてもらっていた彼は、

過去を悔やんだり、

将来が心配な時は、

おばあちゃんに

話を聞いてもらっていたのですが、

おばあちゃんは、いつだって

「なんとかなるさ〜」

と言っていました。


イマ・イキール君は

その意味は

良く分からなかったのですが、

何だか安心できて

いつもぐっすり眠っていました。



ある日、この3人が

イマ・イキール君の家で

遊んでいると、

おばあちゃんが

お茶とお菓子を

持ってきてくれました。


ちょうどその時

テレビでは、

大きな地震と津波で

街が壊滅状態となり、

たくさんの人が亡くなったり、

避難所で大変な生活を

送っている様子が

報じられていました。


それを観て、3人共

落ち込んでいたのですが、

一緒に観ていたおばあちゃんは、

「なんとかなるさ〜」

とつぶやいていました。


イマ・イキール君は、

おばあちゃんに

「小さい頃から

 不思議だったんだけど

 どうしてそう思えるの?」

と質問しました。


すると、おばあちゃんは、

「地球には

 私たちの幸せを

 心から願ってくれている

 偉大なものが存在しているの。


 人によって、

 神様とか仏様とか

 いろいろな呼び方が

 あるんだけど、

 その存在を信じられる?」

と聞いてきました。


イマ・イキール君が、

「良く分からないよ...」

と答えると、

おばあちゃんは、

「私が生きている

 約七十年間の間に

 科学が発達して

 便利な世の中になったねぇ。

 でもね、

 科学が発達したといっても

 人間は、植物も、動物も

 ゼロから作ることは

 できないんだよ。

 人間は誰が作ったんだろう?


 私の幼馴染のカズオ君は、

 遺伝子の研究者になって

 がんばっているんだけど、

 植物も、動物も、人間も

 同じ遺伝子から

 できているんだって、

 教えてくれたのよ。

 不思議だよね。

 
 おばあちゃんは

 おじいちゃんと

 出会って結婚して

 いろいろなことがあったよ。

 
 経済的に苦しかったり...

 お互いに病気をしたり...

 そんな大変なこともあったの。


 でも、子どもが生まれたり、

 あなたみたいなカワイイ孫まで授かって

 嬉しかったなぁ。


 今もしみじみ幸せを

 感じながら生きてるのよ。


 そんな人生の出来事を、

 「たまたまでしょ」とか、

 「偶然」だって言う人もいるけど

 おばあちゃんは何か

 違うような気がするんだなぁ。


 さっき言った

 神様や仏様といった

 『偉大な存在』は、

 イイことはもちろん

 ちょっと大変なことや

 かなり大変なことも

 用意してくれていて、

 それを乗り越えた上で

 より深い幸せを感じて欲しいと

 思っている気がするのよ。


 今回の地震と津波で、

 大変なことになって、
 
 おばあちゃんも毎日

 犠牲者の方の冥福を祈っているけど、 

 『偉大な存在』は、

 人類に注意したいことがあって、

 今回の災害を起こしたんじゃないかな。


 便利さと引き換えに

 失ってしまっているものや

 忘れてしまっているものに

 気付きなさいという

 サインのように思えるの。


 災害が発生したという

 事実(過去)は

 変えられないでしょ。


 そして、もしかすると

 また災害が起こるかもしれない。


 そこで大切なのは

 過去を受け止めて

 未来に備えること、

 もっと言うと、

 将来のために大切なのは

 今、何をするかということ。


 だから、若い人には、

 何かを恐れたり、

 心配して立ち止まるんじゃなくて、

 自分なりにその意味を想像してみて、

 しっかりと解釈して

 今、何をするべきか

 何をしなければならないのか

 考えて欲しいな。

 
 失ったものもあるけれど、

 生きていて命がある限り、

 そこに何かが存在しているはず...、

 それに気付いて、感謝して生きる。


 その感謝の気持ちを

 行動によって示していき、

 何かを変えていくことが

 あなたたちの

 生きた証明となると思うの。


 それがまさに

 『今を生きる』

 ということ。


 そう考えると、

 どうにもならないことなんて

 何もなくて、

 考え方と行動次第で

 良くなっていく...

 つまり、何とかなるものなのよ。


 『なんとかなるさ〜』

 と言うと、いい加減に

 聞こえるかもしれないけど、

 これが、おばあちゃんの

 人生哲学なんだなぁ」

と教えてくれました。


 
3人は、それぞれ

自分の人生を

振り返っていました。



小さい頃、

小学校にあがって

友達ができるか心配だったこと...


自転車に乗れる自信がなくて

泣いてしまったこと...


失恋を経験して、

この世の終わりのような

気がしたこと...


受験に失敗して

人生に絶望しかけたこと...


思い通りに就職が決まらなくて

お先真っ暗に思えたこと...


仕事でつまづいて

会社を辞めようかと悩んだこと...



今、振り返ってみれば、

すべては自分の考えと行動次第で

イイ思い出になっていました。



「そうだ、

 おばあちゃんが言うように、

 今を生きていこう!」


そう決心した

3人なのでした。



そして、10年後、

3人の周りには

たくさんの今を生きる仲間たちが集まり、

その東洋の美しい国を中心に

心豊かで希望に溢れる世界が

広がっていました。


(作:みのえる)




■編集後記


いよいよ来月は、

感動コミック第8弾!

陽なた家さんを題材にした

「感動の条件 〜序章〜」

 生まれてきてくれてありがとう

が発刊になります。


KKロングセラーズさんとの

初コラボ企画で、

全国の書店さんに

並ぶ予定ですので、

応援よろしくお願いしま〜す♪


そうそう、陽なた家の

永松茂久さんが、

日経ビジネス(6/27号)の

「著者に聞く」コーナー(P80)に

登場されてますので、

こちらも読んでみてくださいネ。



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