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    「志通信」メールマガジン                  1999年5月 VOL.13

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■方向性

先日、某白書の企業事例に関する取材をしておりまして、広島のベンチャー系製造業である株式会社美和の林社長様に、お忙しい中貴重な時間を割いてご協力頂きました。
自動車メーカー「マツダ」のお膝元である広島地区は、景気低迷と国際競争のあおりを受け業績悪化に苦しんでいる企業が多いのですが、主に排気系の自動車部品を製造しているこの会社は、パイプや金属板を接合する際に溶接工程を省きプレス工程のみで接合するという特殊技術を約10年の歳月を掛けて開発されました。この特殊技術は、リサイクル等環境への配慮や省エネ、コストダウンという3つの高い付加価値を実現しており、現在では国内の主要自動車メーカーはもちろんのこと、アメリカや欧州の世界的メーカーが注目し、これから海外との技術交流や現地生産が始まろうとしているなど大きな可能性を秘めた企業です。
平成10年の決算で売上高が約9億円、従業員40名という規模的には決して大きいとは言えない会社が、これだけの技術を開発された事に興味が湧き、いろいろと質問させて頂きました。
元々この会社は、創業者である現社長が前職での精密金型の製造経験を活かして昭和40年に3人の仲間と一緒に設立されたそうです。
技術力には自負もあり、お客様からもそれなりの評価をいただいていたそうですが、「金型」という製品の性質上、モデルチェンジ等必要のある時だけ注文が入るという不安定な受注状況であり、そうかといって通常のプレス加工業務は、仕事量こそ安定しているものの単価は安く、それぞれに一長一短あるため事業展開を模索されていたそうです。
そのような中で、「溶接を省きプレス加工だけで接合する」という技術に着目され、「うちの会社が進むべき道はこれしかない」と取り組みを開始され、これまでに多くの時間と労力を掛けて試作を重ね、新たな技術と製品を開発してこられたそうです。
経営者の条件の一つに、正しい方向性を明示することが挙げられますが、林社長の掲げられた方向性は、リサイクル等環境への配慮や省エネ、コストダウンという3つの価値から考えても、また「差別化」の観点から見ても素晴らしいものであることが確認できます。(ここで言う「差別化」とは競合との差と言うよりは、自社のオリジナリティのことを示しています)


■情熱

また取材時に最近開発された製品を見せていただいたのですが、素人の私が言うのも何ですがどう考えても魔法としか思えないような技術が使われていました。
このような技術開発に成功された理由について伺いますと、「社内外のいろいろな方に助けてもらったんですよ」と謙虚な返答をいただいたのですが、私が感じたことは、全てはこの社長の「情熱」が原点であるということです。
その一端を感じたのが、技術や製品についての質問に対して、全くの素人である私にも、見本や事例を示しながら分かりやすいように一所懸命ご説明いただいたことです。
取材日は休日で(これは後からお聞きしたのですが)、実はアメリカの某自動車メーカーへの納期が迫っており、社長も含め二交代制で取り組まれていたそうです。
そのようなお忙しい中であっても、予定より一時間以上も長い時間を掛けてご説明いただきましたし、その話をお聞きしていますと何しろこちらまでワクワクし、元気になってくるのです。
この「情熱」に支えられ、これまで数多くの困難に立ち向かって来られたこと、また回りの方を引っ張っていかれたことは間違いありません。(御本人にこのことをお話ししたところ「そう言えば人よりハングリーかな」と笑っていらっしゃいました)「これからは大変な時代である」というのは経営者として共通した認識であると思いますが、その割には「情熱」の足りない方が少なくありません。
今回、林社長から話を伺い再確認させて頂いたことは、「正しい方向性を指し示すこと」、またその方向性に向かって「何がなんでもやり遂げる」という情熱を持って取り組み、それを持続させることの大切さです。
   @方向性が間違っていないか、
   Aどれだけの情熱を持って取り組んでいるか、
   B情熱を持続させているか、

の三点について今一度ご確認いただければと存じます。


■お知らせ

今年の夏休み(7/30〜7/31)に、林英臣先生を広島にお招きし、中学及び高校生向けの「青春わくわく立志セミナー」を開催する運びとなりました。
このセミナーは、林先生の熱意溢れるご指導によって青少年の方の人生の夢やビジョン実現を応援するもので、これまでに全国各地で好評を博しており、広島では初めての開催となります。
是非お知り合いの方等にご案内頂ければ幸いに存じます。
また弊社が事務局を担当しておりますので、詳しくはお問合せ下さい


■編集後記

先日訳あって高校以来の短髪にしました。お会いする方からは賛否両論を頂戴するのですが、似合う似合わないは別問題として良かったことは、外見の問題にせよ一つの「変化」となったことです。
春先の繁忙期を過ぎ、恥ずかしながら少々気が抜けていた自分に「喝」を入れることができ、気分転換の良いきっかけとすることができました。
皆さんも何かひとつこれまでと違ったことをされてみては如何でしょうか...

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