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    「志通信」メールマガジン                  1999年9月 VOL.17

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■挨拶

いくら能天気な私であっても、時には少し落ち込んでしまうこともあります。
そんな気分のある日、客先での「田原さん、おはようございます」という明るく元気な挨拶(もちろん笑顔付き)が救いとなり、 「落ち込んでいてもしようがない、気を取り直して頑張ろう!!」と活力を取り戻すことができました。
「たかが挨拶、されど挨拶」。挨拶とはやり方次第でこのような素晴らしいものになり得ることを改めて再認識した次第です。
お店に入って「いらっしゃいませ」という元気の良い挨拶で迎えられると、とても気持ちが良いものですし、 逆に態度が悪いと気分を害してしまうこともあります。
また「挨拶は人間関係やコミュニケーションの基本である」とは誰もが肯定する当然のことだと思います。
しかしながら、他人の挨拶に関してはあれこれ評価するものの自分自身の挨拶についてはどうでしょうか。
私は仕事柄気を付けてはいるものの、冒頭に述べた素晴らしい挨拶と比較するとまだまだであること、 つまり相手に活力や感動を与えるような挨拶とは程遠いものであったことを反省せざるを得ませんでした。


■元気良く

私が様々な企業を訪問させていただく中で感じるのは、現在業績が好調であったり将来成長が見込める企業は、 元気で気持ちの良い挨拶をされるところが多く、その反面、失礼ながら内容が今一つの企業は挨拶もそれなりであるように感じます。
これでは両者の差は益々広がるばかりであると言えるでしょう。
手前味噌になりますが、現在弊社クライアントの多くが元気な挨拶を習慣化されています。 会議等の始まりには「よろしくお願いします」、終わりには「ありがとうございました」と大きな声での挨拶を徹底しているのです。
更に経営理念や行動指針、社員心得等を唱和するところもありますが、窓ガラスが震えるほどの大きな声で行っており、 お客様や取引先等、初めて見られた方は「ここまでやってるんですか」とびっくりされることもあるようです。
ただこういった挨拶は、一朝一夕に出来るようになった訳ではありません。
こういうやり方を導入した当初は、抵抗を感じられる方がとても多く、実際「そんな大きな声で挨拶して何の意味があるんですか?」
等の批判めいた意見が出されることは少なくありませんし、嘘かほんとか、そんな挨拶をする会社はいやだといって 退職者が出た例もあります。
しかし一ヵ月もやっていると当たり前になってきますし、三ヵ月以上やっているとほとんどの方が小さな声では 物足りなくなってくるようで、こうなると声を出さない方が浮いてしまいます。
このレベルに達すると、挨拶がビタミンになります。
どういう意味かと申しますと、例えば会議を始める際に大きな声で元気良く挨拶すると、体の奥底から力がみなぎってきて 「よーし、やるぞー」と気合いを入れることができると共に、挨拶によって不思議な一体感が生まれてくるのです。
客先では、さすがに社内で行っている程の大きな声は出しませんが、それでも普段徹底しているだけにレベルが違います。
実際「元気な挨拶だねえ」とお褒めの言葉をいただくことが増えてきているそうで、このお褒めの言葉もビタミンになっています。
「どうもうちの会社は元気がなくて...」と思われている方は、こういったビタミンが足りないのかもしれません。
また、「うちの会社でもできるのだろうか?」と思われる方があるかもしれませんが大丈夫です。コストも掛かりませんし、 大して難しいことではありません。
ただ実現するにはポイントがあります。その一つは、必ず経営者やその職場のトップが先頭を切ってやるということです。
恥ずかしがらず、本気でやっていれば社員さんは必ずついてこられます。 また理念等に関しても、飾り物ではなく経営者の魂が込められているものを、トップがその想いを込めて唱和すればいいのです。
よく「理念がなかなか浸透しない」とのことをお聞きします。
これに関しては、少々乱暴な言い方ですが機会ある毎に唱和し様々な角度から説明すれば、 時間は掛かっても必ずや浸透していくように感じております。
少々脱線しましたが、皆さんと皆さんの会社の社員さんや部下の方の挨拶はいかがでしょうか。
またビタミンは充分でしょうか?


■編集後記

広島では日の丸・君が代問題に関連した校長先生の自殺をきっかけに、教育問題への関心が高まりつつあるように感じます。
学級崩壊等が叫ばれる中で、家庭や学校・教師等の問題が取り上げられておりますが、 私は社会が変革し人間関係が希薄になっていることが子供の教育にも大きな影響を及ぼしているように思います。
つまり挨拶を始めとするコミュニケーションの不足・欠如が問題ではないかと思うのです。 私の知人が、毎朝道端の掃除をされています。
ある日、朝の登校時に暗い顔でとぼとぼと歩いている子供を見つけて「おはよう」と挨拶すると、 「誰だこのおじさんは?」という顔をしてそのまま歩いていったそうです。
その時は「最近の子供は挨拶もしないのか」とムッとされたそうですが、それから会う度に声を掛けていたところ、 次第にその子供の表情が明るくなり、照れながらも挨拶を返すようになり、そして遂には子供の方から「おはようございます」 と挨拶するようになったそうです。
このようにこちらからアクションを起こせば、子供は変わります。
しかし挨拶さえもしなければ相手を無視しているのと同様であり、コミュニケーションは存在しません。
社会とのコミュニケーション無くして、立派な大人に育つことは難しいと思います。
教育の問題はこれからの大きな課題ですが、積極的に関わる事は難しいとしても、せめて原点である挨拶によって 一隅を照らすお手伝いをさせていただきたいと思います。

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