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    「志通信」メールマガジン                  2003年4月 VOL.34

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■不甲斐なさ

昨年よりお付き合いの始まったあるクライアントは、十年近く業績の低迷に苦しんでいましたが、ここに来てようやく好転の兆しが見えてきています。
その理由は、二代目である社長が大きく変わられたことです。

私が知り合った時は「このままでは会社も財産もなくなってしまう。何とかしなければならない。」と思いながらも、どうすれば良いか分からず、何も手を打てていない状況でした。
何度か打ち合わせを重ねる中で、既存の事業では将来の展望が見えないために横展開を図る事に決めたのですが、その後実際には何も変わらない状態が続きました。
そんな社長の優柔不断さに、私は苛立ちを感じるようになり、時にそれをぶつける事もありました。
またこちらからコンサル契約を解除しようかと考えたこともありましたが、このままでは会社が倒産し、従業員が職を失い、家庭崩壊の危機が到来することは容易に予測出来たため、責任を感じて踏み切ることができませんでした。
この社長とは、時にお酒を酌み交わしながら「なぜ変われないのか」ということについて様々な角度で考え続けましたが、堂々巡りは半年以上続きました。

ある時、二週間ぶりの打ち合わせの際、この社長の表情は明らかに変わっていました。
「社長、何かあったのですか?」と問い掛けると、
「特に何かがあったと言うわけではないんですけど…。ただ、これまでの打ち合わせの中で自分自身の不甲斐なさに随分苛ついたり、情けない思いをしてきました。何故変われないのだろうと本当に悩みました。憂さ晴らしにゴルフに行ったり飲みに行ったりしても心から楽しむことができず、悩んで悩んで悩み続けて、昨日の晩、今日の打ち合わせのことを考えていたら気分が滅入ってきたので、別の予定が入ったことにして田原さんとの約束を断ろうと思いました。その時にふと家族の顔が浮かびました。子供と妻の幸せそうな笑顔でした。今の幸せを失ってしまうこと、さらに家族から激しく誹謗中傷されることを想像した時、身震いがしました。そうはなりたくないと本心から思いました。怠惰な考え方で問題から逃げていた自分に気付きました。これまでは気付いていたつもりでしたが、あくまでもつもりでした。でも昨日はなぜか理由はわかりませんが頭から足の先まで全身で感じることができました。すると自分でも不思議なくらい力が湧いてきました。正直言ってこれまで面倒に感じていた仕事をやりたくて仕方がなくなってきたのです。これまでいろいろとご迷惑をお掛けしましたが、がむしゃらに頑張りますので、これからもよろしくお願いします。」
との返答でした。

『不甲斐なさ』を心の奥底から自覚すること。
これも経営者として必要な要件の一つではないでしょうか。


■仏教に学ぶ (Part.2)

久しぶりにお会いした方から「何か難しい顔をされてますね」と言われて、「そうですか〜」と返事をしながらも、内心ドキッとしました。
「忙しいとは、その字の通り心を亡くした状態である」と言われますが、まさにそのような状態に陥っていることに薄々気付いていたからです。
(まだまだ修行が足りませんね…)

「無財の七施」という仏教の言葉をご紹介します。

 「無財の七施」

  一、 眼施    (がんせ)       優しい眼差しで接する
  二、 和顔施   (わがんせ)      和やかな表情や笑顔を心掛ける
  三、 言施    (ごんせ・げんせ)  優しく暖かい言葉を掛ける
  四、 身施    (しんせ)        相手の為に苦労を厭わない
  五、 心施    (しんせ)        相手を思いやる
  六、 床座施   (しょうざせ)      席や場所を譲る
  七、 房舎施   (ぼうしゃせ)      自分の家に招待し歓待する

「景気が悪くて、自分の生活が大変なのに他人のことなんて考えていられないよ。」 という方もあるかもしれません。
でも皆がそう考えてしまうと、自分のことしか考えない恐ろしい社会ができあがってしまいます。
「無財の七施」は、お金や財産がなくても周囲の人にできることを教えてくれています。 一人ひとりが身近な施しを積み重ねていけば、グッドコミュニケーションが生まれ、より良い社会が創造されていくのではないでしょうか。

と言う訳で、私への施しをお待ちしております。(笑)


■編集後記

朝が苦手な私ですが、最近はできるだけ早起きをするようにしており、それをサポートしてくれているのが、「世直し竜馬君目覚まし時計」です。
この時計は、見た目は可愛らしい竜馬人形になっており、アラームの代わりに「もーう、夜が明けたぜよ。いい加減に起きんかよ。」と高知弁で繰り返します。
そして、アラームを止めるスイッチを押すと「世の中、おまんを待っちょうけに」と、朝からやる気にさせてくれるのです。(どうも私は脳の構造が単純なようですので…)
時にそれでも目が覚めないときには次のサポーターがやってきます。
うちの家内が「こころざし♪」と耳元で囁くのです…


★(号外)親バカ進之助通信 vol.2

進之助は、もうすぐ7ヶ月を迎えようとしておりまして、危なっかしく頭をグラグラさせながらおすわりができるようになりました。
また私が抱っこに疲れてソファに座り、膝の上に乗せていると、スネ毛を力強くむしる事もできるようになりました。
更にお風呂に入ると自分の声が反響して気持ちがいいのでしょう、私が虐待しているかのように聞こえる奇声を、向こう三軒両隣に届く程の声量で発することもできるようになりました。

これからも成長過程(?)をレポートしていきたいと思います。

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