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    「志通信」メールマガジン       2005.2 VOL.46

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■Go for it !

先日、香取貴信さんが広島へ講演に来られ、
講演終了後に食事をご一緒させていただきました。

香取さんとお話していて思い浮かぶのが「Go for it !」という言葉。
「やるしかないでしょ」とか「行くしかないでしょ」という意味ですが、
私を含め多くの人が香取さんのこの言葉に勇気付けられています。

その一例として、有限会社ベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツの
高萩社長さまのお話をご紹介します。


■ホノルルマラソン

・お客様と一緒の時間を共有したい

「本当に走るんですか?」
「練習は? 運動は?」
「絶対に無理したら駄目ですよ」

これがホノルルマラソンの42.195キロにエントリーした私に対する周囲の反応でした。
高校生の頃、応援団でしごかれた以外、運動とは無縁。
海も陸も、スポーツは観戦専門でした。

昨年は添乗員としてホノルルマラソンに付き添い、
障害を持つ子供たちと一緒に10キロのコースを歩いて、
彼らが初めて飛行機に乗り、車イスを一生懸命漕ぐ姿に、元気と勇気をもらいました。

そして今年、イベントを計画する最中に頂いた2通のメール。
一通は、今回社員やご家族と一緒に私たちの旅行に参加して下さったアイカの
渡辺社長さんから、そしてもう一通は、香取感動マネジメントの香取貴信さんから
「やるっきゃないでしょ」というお手紙。
お二人のメールを読んで「そうか、フルマラソンに出てみよう。」と決めたのです。


・計画より行動

経営には計画が大切です。
計画のない経営は、どこへ進んでいくかもわからない。
でも、もっと大切なことがあります。
それは「決めることと行動すること」。
今回、ホノルルマラソンに参加して改めて気づいたのが、
『一歩でもいいから前に進まないとゴールには届かない』ということでした。

42キロを完走するなんて、今の自分が置かれている状況からするとあり得ない。
体力もない、準備もしていない。
でも私は「来年じゃなくて、今年参加しよう」と決めたのです。ここが大切だと。
来年、とか3年後じゃなくて、今日行動すること。今年走ること。
これは自分を追い詰めるということではありません。
私は自分で自分をいじめるのは好きではありませんから、
自分を追い詰めたりはしません。

香取貴信さんからプレゼントして頂いた言葉
『Go for it! =やるっきゃないでしょ』。
マラソンの最中も、沿道の声援は「Good job !」、「Go for it !」です。
計画と行動とどちらが大切かと言うと、やっぱり行動です。
計画は、行動が伴ってこそ。
ゴルフでは、いくら考えていても穴にボールは入らない。
旗に向かって、何十回でもいいからボールを打つこと。
ゴールさえ決まっていれば、いつかは穴に入るのです。


・決めることの大切さ

私の準備不足はひどいものでした。
周囲の心配をよそに、何もしない。
日頃運動する習慣のない私は、当然「モノ」を持っていません。
シューズはもちろんウエアなどもない。
そして「情報」も集めていなかった。 42.195キロがどんなルートでどんな起伏があるのか,
まったく知りませんでした。

「そんなのあり得ない」と思われるかもしれませんが、
シューズは前日の夜、あわててワイキキに買いに走りました。
コースは、当日の朝、地図を見て「へえ〜」と感心していました。

でも、決めていたことがひとつだけあります。
「決めている」は適切な表現ではないかも。
そうですね「イメージしていた」こと。
イメージしていたことは、「自分がゴールしている姿」。
まったくイメージできなかったことは「自分が途中でリタイヤしている姿」です。

私は「自分が頭の中でイメージできることはできるから」と話していました。
スタートラインに向かうとき、不思議なことに何の不安もありませんでした。


・力を借りる

私はフルマラソンを自力で走り切るのが現実的でないことも、
脳みその半分で理解していました。
何たって、駅の階段を駆け下りても息切れするのです。
私は「他人の力」を借りることにしました。

一番大きな力は、一緒にフルマラソンに参加した10歳の男の子、ユウスケ君です。
アイカの渡辺さんの長男で、お父さんがフルマラソンに参加するのを知って
「僕も走る」と急遽10キロのコースから変更したのです。

皆さん、自分が小学校5年生だった時を考えてみてください。
42キロを走ることが想像できますか。
でも、ユウスケ君は「パパ」と同じ体験を共有したいとの一心で、
フルマラソンへ申し込んだのです。

私は10歳のユウスケ君の力を借りることにしました。
ユウスケ君と「何時間でゴールする?」と話をして7時間30分と計画。
パパから託された「何マイル地点を何時に通過するか」のメモが、
私たちの“経営計画”です。
ユウスケ君のサポートがなかったら、私は完走していなかったでしょう。

彼はコースを半分過ぎてから、「ねえ、どうせゴールするなら早く走った方がいいよね。
どうせ同じ距離を走るんだから。」まったくその通りです。
私は小学校5年生の体力が分からなかったので、無理しないで休憩を十分に取ろうと
思ったのですが、彼は「休憩するなら、前に進んだほうがいい」と言うのです。

これって、経営やサービスのスキルアップにも同じことが言えませんか。
とにかく前に進むことの大切さを、10歳のユウスケ君に教わりました。
それも、楽しく進むことを。

周囲のアスリート達は、後半バテバテです。
本当に辛そうにしているんです。
でもユウスケ君は、学校での話や友達の話、好きなことなどを、
走りながら楽しそうに話すのです。
まるで小学校からの帰り道の通学路のように、楽しそうに、嬉しそうに。

私とユウスケ君の42.195キロは難行苦行とは無縁でした。
「楽しく、嬉しく」。
これも10歳から学んだ経営の本質です。
ユウスケ君は、走っている途中に「後、○マイルもあるのか」なんて一言も言いません。
「よしあと○分で次の○マイルの看板だ」と。

そして、大人にとっては心臓破りと言われるダイヤモンドヘッドの上り坂では、
ユウスケ君から、「ねえねえ。最後、ゴールの手間はダッシュするよね。」と、
どこの地点からラストスパートを掛けるかの相談です。
ものすごい上り坂を進みながらです。

そして、最後の1マイル。
バテバテの大人をごぼう抜きで軽々と(恐らく)200人抜きです。
この1マイル、ユウスケ君について行くのはきつかった。

でも40歳の経営者が、10歳の小学生の力を借りて目標達成してしまったのです。
ユウスケ君、ありがとう。


・もうひとつの力

もうひとつ、大きな力があります。それは「Good job !」、「Go for it !」
という沿道の声援。

家族で、会社で、朝の5時から応援してくれている人の笑顔や声援。
自宅の前でチョコレートやバナナを配っている人もいます。
ハイタッチで応援するボランティア達。
警備のパトカーも、ステレオのボリュームを最大にして
クリスマスソングを流しています。
本当に苦しくなる坂道の手前に、あり得ない位の人達が応援してくれているのです。
この声援が、神様が降りてきたような感じで背中を押してくれるのです。

このエネルギーを受け取りながら、これこそが自分の会社が
お客様に提供していることなんだ、と自分のやっている仕事を再認識しました。

なぜ私たちのお客様は、涙を流して感動して下さるのか。
なぜ私たちのお客様は、あり得ない位元気になるのか。
自分がエネルギーを受け取る側に立って、
そして、その声援に訳もわからず涙があふれてきて初めて、
自分がやっていることの意味を分かったような気がしました。

走りながら涙が溢れて止まりませんでした。
ユウスケ君は不思議そうに、私の泣き顔を見てたけど。

今回の私たちの旅行に参加して下さった方の中で
私以外に4名がフルマラソンにエントリーされていましたが、全員完走です。

皆様のエネルギーを全身に受けて、最高の時間を過ごすことが出来ました。
心配&応援して下さった皆様、ありがとうございました。
(一部加筆修正しています)


素晴らしい話でしょ〜、まさに感動モノです!
高萩社長さまは、以下のHPでコラムも公開されていますので是非ご覧下さい。
( http://www.beltempo.jp/ )


■編集後記

先日京都議定書が発効となりました。
最大の温室効果ガス排出国であるアメリカが不支持を表明していることや、
著しい発展を遂げている中国やインドに目標設定がなされていないこと等、
多々問題はありますが、地球温暖化が進んでいることはまぎれもない事実です。

日本の目標は高いハードルですが、私達の子孫に恥じることのないよう、
達成に向けて「Go for it !」。


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