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    「志通信」メールマガジン       2005.12 VOL.56

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■グッド・リーダーシップ

先日、とあるバラエティ番組で明るい笑顔を振りまいていた
「ボビー」こと、千葉ロッテマリーンズのバレンタイン監督。

今号では、96年以降、万年Bクラスだった千葉ロッテマリーンズを、
31年ぶりに日本一の座に導き、
今年の流行語大賞でもベストテン入りした
「ボビーマジック」をご紹介します。


■ハートを掴む

日経新聞の特集記事の中で、
バレンタイン監督が、シーズン前のキャンプで、
選手達に黙ってイヤホン(単体)を渡した話が取り上げてありました。
(ちなみにこのお話、能力開発センターの田中典生先生も、
 講演会で紹介されていました…)

どこにもつながっていないイヤホンを耳に当てて、
不思議そうに「何も聞こえませんよ」という選手に対し、
ボビーは
「何か聞こえてきませんか? みんなに自分の心の声を聞いてほしいんデス」
と伝えました。

しばらくすると、選手達は次々に監督のもとに駆け寄って、
「優勝を決めたときの大歓声が聞こえました」、
「優勝祝賀会のビールかけの様子が聞こえてきました」
と言って目を輝かせていたそうです。

そうなんです。
シーズン前に、まずはチームの全員が優勝のイメージを描くことから
スタートしたのです。

そして、シーズン中は、
「今日はよく振れていたネ〜」、
「とてもホットだったヨ」、
「コノチームハ、イチバンデ〜ス!」
と選手達を事ある毎に褒め称えていました。

さらに、
「ベストの人材が揃わなくても勝てるんデス。
 ベストのプレーを現有戦力から引き出せばいいんですヨ。」、

「かつての主力で今は力が落ちてしまったベテランに、
 目立たないが価値のある仕事を与えマス。
 それを納得して働いてもらうんデス。
 敗戦処理のピッチャーが誇りを持てるチームこそが強い組織なんデス〜。」、

「選手が失敗した時こそ、信頼の言葉を掛けるんデス。」

といったモチベーションを最大限に高めるボビー語録によって、
負け犬根性が染み付いていた選手達のハートを掴んでいきました。

ソフトバンクとのプレーオフ第二ステージでは、
2連勝の後に2連敗した時でさえ、

「この時期に野球が出来るのは幸せなことじゃないデスカ。
 明日は楽しんでプレーして欲しいネー。
 この楽しみが分からない者は、今すぐ別の仕事を探した方がいいヨ。」

と明るく語り、それを耳にした選手達は、
翌日「エンジョイ!」が合い言葉になっていたそうです。

そして、その中で「今日オイシイ場面で打ったら目立つね〜」
と言っていた里崎選手が、見事にこの日の決定打を放ったのです。

リーグ優勝を決めた時のインタビューでは、
「ユ〜ショ〜(優勝)シニ、イキマショ〜!」、
「ビ〜ルカケ、シマショ〜!」、

日本シリーズ第二戦のインタビューでは、
「最高のプレイをした選手を誇りに思いマ〜ス」の発言。

そりゃ、選手も頑張りますよね。


■選手を大切に

選手に1年を通して戦い抜いてもらうために、
ボビーはケガをさせないことを優先していました。

疲れが出始めるシーズン後半の練習は控えめにしていたようですし、
前日活躍した選手は翌日の試合では力みが出やすいためにスタメンを外し、
その代わりに実績がなくても調子が良い選手を起用していました。

投手の中には、「完投」を望む選手もいますが、
一試合で100球以上投げた場合には、中継ぎや抑えの投手に交代させ、
登板ローテーションをコントロールすることによって、
活躍の機会を均等に与えていたのです。


■戦略・戦術は緻密に

さらに、米国から統計学のスペシャリストであるポール・プボ氏を招いて、
相手チームのデータを詳細に分析していました。

その分析結果に基づいた年間の打順は125パターンにも達しています。

打順と言えば、普通は3番から5番に強打者を集めますが、
この場合、それ以外の打順で得点できる確率は減少してしまいます。

バレンタイン監督は球界の常識を破り、
7番、8番の下位打線に打率の高い選手を配置して打線の切れ目をなくし、
得点力を増していたのです。

日本シリーズで阪神の今岡選手を封じ込めたのも、
彼の弱点をデータから見抜いて、
そこを攻め込んだことが功を奏したようです。

つまり、「ボビーマジック」とは、
ロジックを緻密に積み上げたものでもあるのです。


■顔

ロッテに入団して良かった事は、「グレートなファンに出会えたこと」
特技は「他の人々と一緒に仕事をすること。そして難局を乗り越えること。」
というバレンタイン監督。

これまで選手として、また監督として経験してきた
たくさんの失敗や挫折・苦労の上に、今回の栄光があるようです。

「男は40過ぎたら自分の顔に責任を持て」と言われますが、
冒頭でご紹介したようにバレンタイン監督の笑顔は最高です。

私は、家族に気持ち悪がられながらも、
鏡を見ながら一人で笑顔の練習をしています♪


■編集後記

吉野家の牛丼。
大学時代は友人の影響もあって週に一度は食べていました。
あの味、大好きなんです。

社会人になってからも、時々お世話になっていて、
今でも時折「久しぶりに食べたいなー」と思うことがあります。

でも、今回の牛肉の輸入再開に関しては複雑な心境です。
だってどう考えても危なそうですよね。

今回の再開を認めた人たちって、何らかの利権が絡んでいるか、
安い輸入牛肉は食べない人たちなんでしょうね。

輸入されている野菜や果物に対する農薬や保存料も同様ですが、
「食の安全」って、どうも軽視されている気がしてなりません。

もし何かあったときに、誰が責任取るんでしょうね?
私は、どうも「薬害エイズ」の一件を思い出してしまうんですけど、
皆さんいかがですか?

私は、「安全なものを買う」ことで意思表示したいと思います。
日本の農家・酪農家の皆さん、がんばってくださいね。



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