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「志通信」メールマガジン 2006.11 VOL.67
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■広島国際平和会議
今月、広島で「広島国際平和会議2006」が開催されました。
「人の未来を考える」
(Think of Our Future with Compassion & Humanity)
というテーマが掲げられたこの会議は、
チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ法王、
南アフリカのアパルトヘイト撤廃運動の指導者であるデズモンド・ツツ大主教、
北アイルランドの紛争解決に尽力されたベティ・ウィリアムズ女史、
というノーベル平和賞受賞者3名が一同に会される大変貴重な場となりました。
■普遍的責任
ダライ・ラマ法王は、
「普遍的責任」というキーワードで話をされたのですが、
これは、「人間は社会の中で存在している」
つまり一人では生きていけない生き物であり、
その前提に立てば、
幸せに生きていくためには、
他者に対して責任を持たなければならないという意味です。
ここで言う「他者」とは、身近な存在だけでなく、
全世界の国や人々を含むものなのですが、
「日常のことに精一杯で、
地球全体のことなど考えられないというのでは、
平和な社会を実現することはできません。
世界をひとつの家族と捉え、
環境問題等、一人ひとりが意識を変えていってください」
と訴えられていました。
また、この普遍的責任とは「思いやり」から生まれるとのことで、
以下のようなメッセージをいただきました。
「まずは、自分を思いやってください。
そして、自分が主となって思いやりの種を蒔いてください。
これが他者への慈悲へと育っていくのです。」
「周囲に存在する人の中から、まず一人を助けてあげてください。」
「素直に、『I am sorry』を言える人になってください。」
■許す
迫害や差別、紛争を実際に経験されている3名の方が、
共通して言われるのは、「非暴力」であり、
未来に向けて重要なことは、
「報復や復讐ではなく、相手を許す」ということでした。
テロのような「やられたら、やり返す」という論理では、
負の連鎖がいつまでも断ち切れないということなのです。
実際、ツツ大主教は、アパルトヘイト撤廃後に、
黒人から白人への報復行為を許しませんでした。
そして、
「残虐な迫害をした白人側が事実を告白し、
自らの責任に正面から向き合うことで、
黒人側の気持ちが収まっていくのです。
『許し』とは、『なかったこと』にすることではなく、
双方が傷口を開いて消毒する作業なのですから。」
という言葉を残されています。
私は、ヒロシマへの原爆投下に関して、アメリカを許せないとか、
学校でのいじめに関して、「報復や復讐」を許容してもいいのではないか
と考えておりましたが、
「復讐から修復へ」という言葉には、
考えさせられるものがありました。
「頭ではなく、心で考えてください。
知性と愛情をベースに行動すれば、無限の可能性が広がっているのです。」
「未来を信じてください。未来の力は過去よりも大きいのです。」
これらのメッセージを、心に刻んでおきたいと思います。
■平和宣言
以下に、この会議で採択された「広島平和宣言2006」をご紹介します。
原爆投下による破壊と恐怖から立ち直ったヒロシマの人々が、
復興に成功して平和な「今」を作りました。
この街が持つ「許し」と「報復しない」という精神を、
全人類に見つめてもらいたいと考えています。
「全ての人が、互いに依存している」という事実を認識することは、
あなた自身の幸せだけでなく、他者の利益のためにも不可欠なのです。
他者の苦しみに無関心であることをやめ、世界に関心を向けましょう。
他者への思いやりが、平和を実現する第一歩となるのです。
自分の国だけではなく、世界全体を優先することを、
このヒロシマから考えていきましょう。
そして、その一歩を世界へ向けて 踏み出しましょう。
■伝え方
この素晴らしい3名の方々、
そしてコーディネーターとして参加された筑波大学の村上和雄先生のやりとりは、
決して堅いばかりではなく、ユーモアを交えたものでした。
特に、ダライ・ラマ法王とツツ大主教は、
にこやかに、冗談を交えながら話をされておりましたし、
いたずらっ子がそのまま大人になったような天真爛漫さに
魅了される場面が多々ありました。
「さすが!」です…。
■原田真二さん(その2)
先月ご紹介した原田真二さんが、広島護国神社で
広島平和会議関連のチャリティーコンサートを開催されたのですが、
リハーサル中にご挨拶させていただくことができました。
原田さんからは、開口一番、
「あのTシャツ、ニューヨークのコンサートでも着たんですよ!」
とのこと。
またまた感激です!
世界平和を願うメッセージソング
「ひろしまから始めよう」
も聞いてみてくださいね〜。
( http://www.shinji-harada.com/b_12_g_best_3.htm )
■編集後記
日経で紹介されていた「世界水没地図」。
( http://flood.firetree.net/ )
この地図によると、弊社は8mの水位上昇で、
自宅は10mの水位上昇で水没してしまうようです。(びっくり!)
最近の竜巻等の異常気象も、
環境破壊のシグナルに間違いありません。
「エコ・モチベーション」の向上に、
この地図を活用してみてくださいね。
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