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    「志通信」メールマガジン                  1998年12月 VOL.8

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■年の瀬を迎えて

12月に入り、1998年も残すところあとわずかとなりました。
「年の瀬」という一年の終わりが近づきますと、「時間」というものを意識せざるを得ません。
齢を重ねる毎に時間の経過が早く感じられ、人間の一生など地球の歴史から考えると一瞬に過ぎないことを実感すると共に、限られた時間をどう生きるべきか私なりに考える良い機会とさせていただいています。
今号では、私の師匠である角田識之先生の「自分の明日は意識のノミで刻まれる」という文章をご紹介させて頂きたいと存じます。


◇「自分の明日は意識のノミで刻まれる」

レコードがすばらしい音色を再現できるのは、当然のことですが先に再生の溝が刻み込まれているからです。
そして人生のレコード盤の「溝」は、自分の人生はかくありたいと強く念願する意識のノミで刻まれたものです。
今を生きる自分という「針」が再現する幸福感や充実感」という「音色」は、みずからが先に刻んでおいた「意識溝」の再現と考えられます。
文豪芥川竜之介は「その人の未来は、その人の性格にあり」と言い、アメリカの文化人類学者マーガレットミードは「未来とは今である」と言っています。
あなたの未来の人生音色は、今の意識や念願が決めているのです。

レコード盤同様、人生もシングル盤にするか、複数曲の入ったLP盤にするか、それもあなた次第です。
同じ80年の人生でも、濃縮した人生を送る人と、漠然と目的意識なく生きる人とでは、再現される曲数(充実度)に大きな差が生じます。
あるいはもっと欲張りな人は、全く違った生き様を鮮やかに両立させるという両面演奏まで行います。

そしてレコード盤は、終盤に近づくと急に回転が早くなって参ります。
人生の仕上げ期に入り、時間の回転を急に早く感じるようになってから名曲を十二分に練り上げることは、時間的にも困難な作業でしょう。
それだけに、最初の主題(素志)設定が重要になります。
人生とは、まっさらな原盤を与えられることです。
それにどのような人生交響曲(シンフォニ)を刻むかはあなたの自由なのです。
そしてその作曲時期には、本来手遅れというものはなく、「発心」した時がその時なのです。

あなたの人生交響曲に幸多かれとの願いを込めて (角田識之 念願)

この文章を読まれてどう感じられましたでしょうか?
時間(人生)が有限であることは間違いのない事実ですし、時の経過がスピードを増していく感覚は、皆さん実感されていることと思います。
したがって、人生とはまさにレコード盤のようなものであると言えるのではないでしょうか?
目標(意識)を持って人生を送るのと、そうでないのとでは大きな違いが生じますし、「時間」という全ての人に平等でお金では買えない尊い財産を活かす殺すも自分次第です。
角田先生が最後に書かれておりますように、自分なりの人生交響曲を精一杯奏でていきたいと存じます。


■考事縁

考事縁とは、「物事(の本質)を考えるご縁(きっかけ)作り」の意

●久しぶりの考事縁です...「人生」と「発心」を取り上げました。
1.じん‐せい【人生】
 @人が此の世で生きること。 人間の生存・生活。
 A人が此の世で生きている間。人の一生。
  ―意気に感ず
  ―行路難(カタ)し
  ―朝露(チヨウロ)の如し
  ―僅(ワズ)か五十年
2.ほっ‐しん【発心】
  〔仏〕菩提心を起すこと。
  また一般に、あることをしようと思い立つこと。発意。発起。
  「―して仏門に入る」   「初(シヨ)―」
(広辞苑より抜粋)

「発心」とは、心が発している、つまり生き生きしている状態のことであるとすれば、逆説的に考えると「発心していない」ということは心が元気のない状態を表わしているのでしょう。
このどちらを選択するか...言うまでもないことのようです。


■編集後記

今年5月の創刊以来、「志通信」を毎月発行するというのは、文才のない私にとって結構大変なことです。
しかしながら、何とか継続できておりますのは、皆様から色々と声を掛けて頂いたり、ご意見ご感想をいただいているからです。これらが私の大きな励みとなっていることは紛れもない事実です。
「ありがとうございます」
本年の最後に、大きな声で御礼を申し上げたいと思います。
(決してご意見ご感想を強要している訳ではありません...笑)
また、これまでは月末に発刊しておりましたが、一月の新春号より、月初の発刊に変更させていただきます。来年も宜しくお願い申し上げます。

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