『心を育てる』感動コミック  掲載履歴

2010.11.04
日本経済新聞 2010年11月4日(木)
札幌印刷40周年記念シンポジウム「ほっかいどうにできること」
掲載日
メディア名
(敬称略)
植松電機 植松努専務_掲載履歴/日本経済新聞 2010年11月4日(木) 札幌印刷40周年記念シンポジウム「ほっかいどうにできること」
めざせ競い合う大地

日本経済新聞社は札幌印刷40周年記念シンポジウム「ほっかいどうにできること」を10月5日、札幌市内で開いた。
記念事業として募集した懸賞論文では、人口減に対抗しアジアを取り込む斬新な提言が寄せられた。
パネルディスカッションでは村上憲郎・グーグル名誉会長、小磯修二・釧路公立大学学長、植松努・植松電機専務、三浦里紗・知床羅臼町観光協会事務局長の4氏に、北海道を活性化させる条件を語ってもらった。
潜在能力を生かすには、企業や自治体が競い合うべきだとの意見が相次いだ。

活性化への条件

植松氏「どうせ無理」を断つ

全国で年300回を超える講演をしているが、本州の企業経営者の危機感はものすごいと感じる。
円高が進み工場がどんどん海外へ出て行き、雇用が失われている。
自分の企業のスタイルを変えようと必死だ。
その危機感が道内には伝わっていない。
道内では周りにおかしなことがあっても「変だね」というだけで(思考が)止まってしまう。
長く行政や税金で保護されてきたので、自分で考える能力を失ってしまったのではないか。

大量生産時代に、教育は「いい会社」に入る仕組みに陥った。
中国やインドが台頭する現在、日本は何もないところから新たな価値を生み出すことを求められる。
それを可能にする人材をはぐくむためには、「どうせ無理」という言葉を覚えさせてはいけない。
産学官連携も官が財源を確保し、学がそれを当てにして研究し、産がその成果に頼るという構図は間違っている。
産が新市場を開拓し価値を生み出し、学は未来を見据えて研究し、官は公益の使者になるという本来の姿に戻るべきだ。
官は財源確保をやめたらいい。

植松電機専務取締役 植松努氏 うえまつ・つとむ
北海道出身。1989年北見工大卒、94年植松電機入社、99年専務。2004年から北大と道産ロケット「カムイ」開発に取り組む。